……と、すぐ隣から連続的な筆記音が聞こえてきた。
思わずそちらに目を落とすと、倉口君が一心にノートにペンを走らせていた。
……何をそんなに書くことがあるんだろう。今のところ大して板書する必要もないんだけど。
そう思いつつ、何気なく倉口君の横顔へと視線を移して……――ちょっとドキッとした。
長い前髪に覆われている倉口君の目。
ほんの少しの隙間からしか見えないけれど、ノートに向ける真っ直ぐな視線がすごく綺麗だと思った。
ああ……これ、昨日も同じことを思った。懐かしい、歩君の目だ。



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