Story.
2003年、日本。
群青色の中に浮かぶ、人口数百人にも満たない小さな孤島――舞咲島。
かつて多くの来訪客により栄えていたその島は、今や住民達が生活する為だけの寂れた環境を成していた。

舞咲島で生まれ育った主人公(月元渚)は、大学進学の為、いよいよ島を旅立つ日を迎える。
不安を抱えながら本土に降り立った主人公を待ち受けていたのは、幼い頃より自分を悩ませてきた『幽霊が見える』という能力による障害の数々。
彼女は逃げる。自分に付きまとう得体の知れない影から。自分自身の能力から。

そんな折、彼女は一人の青年と出会う。
同じ大学に通う4年生。岡原伊織と名乗るその青年は、飄々とした態度で口を開く。

「俺ね、“見える”んだよ」

彼との出会いにより、少しずつ自分の能力を受け入れ始める主人公。
閉鎖的な環境で育った彼女の意識は、やがて外の世界へ向けられるようになる――

――世界を変えていくのは、何よりも自分自身なんだ。