【ジョッシュ】
「えっと、あらためて、僕はジョッシュ。よろしく」
目の前に手の平が差し出される。
ジョッシュ……というのは本名なんだろうか。
見た目は普通の日本人だし、あだ名なのかな。
【月元渚】
「月元渚です。よろしくお願いします」
握手に応じようとすると、空をつかむように、指先がジョッシュさんの手の平をすり抜けた。
【月元渚】
「えっ……」
【ジョッシュ】
「この通り、僕はこの世の者じゃないんだ」
【月元渚】
「そ、そうなんですか……」
とは言われても、いまいち実感がわかない。
そのせいか、恐怖心もいっさいわかない。
こんな風にごく普通に幽霊と会話をしたのは、これが初めてだった。
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