【月元渚】
「先輩」
背中に手を回す。
先輩の体温が心地良い。
このままこの場所でずっと溶け合っていられたら、どんなに楽だろう。
【月元渚】
「一人は辛いですよね……苦しいですよね……」
【月元渚】
「だから、先輩のこと、一人にはしません」
【月元渚】
「先輩が必要としてくれるなら、私はずっとここにいます……」
トク、トク、と耳元で先輩の鼓動が聞こえる。
穏やかな温もりを求めて、私はさらに先輩に身を寄せた。
【月元渚】
「先輩、私のこと、必要なんでしょ……?」
【岡原伊織】
「…………」
【月元渚】
「頷いて……」
肯定して。
私を。
【月元渚】
「必要だって、言って……お願い」
そうすれば私は――――
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