【染谷昴】
「……それと、これ」
昴がポケットから何かを取り出し、私の前に差し出す。
【染谷昴】
「……やる」
【月元渚】
「え……」
お守りだった。
今さっき買ってきたのだろうか。空港のテープが付いている。
【月元渚】
「何で……」
【染谷昴】
「だってお前、何か元気なかったし……落ち込まれるとこっちも落ち着かねーんだよ」
【染谷昴】
「ぶっちゃけこんなの無くてもどうもならんと思うし、あっても事故るときは事故ると思うけど、お前の気休めにはなるんだろ」
【月元渚】
「…………」
元気がなかったのは昴との空気が気まずかったからです……。
お守りを忘れて不安なのも、霊的な意味であって、昴の考えているようなことではないけれど……
【月元渚】
「……あ、ありがと」
お守りを受け取る。
昴の気遣いが嬉しくて、胸がくすぐったいような感じがした。
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